厚生労働省の調査によれば、80歳で20本以上の歯が残っている人の割合は約半数にあたる51.6%でした。(「令和4年歯科疾患実態調査」)この数字は前回平成28年の調査結果(51.2%)と同程度で、日本における平均的な割合といえるようです。
親知らずが生えるか生えないかでも異なりますが、永久歯の数は28~32本ですので、約半数の人は、80歳までの間に8本以上の歯を失っていることになります。
歯を失う2大原因は「むし歯」と「歯周病」です。そして、それらの症状を未然に防ぐのが予防歯科になります。
予防歯科とは、歯に問題が起こってから対処するのではなく、積極的に歯科医院に通って、虫歯や歯周病にかからないようにしよう、というものです。
英語では「preventive dentistry」と綴り、1970年代にスウェーデンで初めて予防歯科の重要性が打ち出されました。
PREVENTIVE
予防歯科
健康な歯を維持するためには予防歯科が大切です。
しかし、「予防歯科とは何をするのか」「費用はどのくらいなのか」など、予防歯科に関する情報はまだあまり普及していないのではないでしょうか。
なかには予防歯科=クリーニングのことと捉えている方も多いです。
当院では残存歯を増やすことを目的とした予防歯科を実施しています。
いつまでもご自身の歯で美味しく食事をしたい方はぜひ当院にご相談ください。
予防歯科とは?
どうして大切なの?
予防歯科では何をするの?クリーニングとの違いは?
予防歯科では、歯科医師や歯科衛生士などのプロフェッショナルが行うケアと、患者さん自身が行うセルフケアによって、虫歯や歯周病などの疾患を防ぐことを目的としています。
予防歯科では主に以下のような処置を実施します。
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- 歯磨き指導
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- フッ素塗布
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- PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)
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- SRP(歯石取りと歯面磨き)
PMTCとは、歯科衛生士が専用の道具を使用して行う歯のクリーニングのことです。歯面を綺麗に清掃した後にフッ素を塗布して虫歯や歯周病を予防します。また、SRPとはScaling and Root Planingの略で、「 スケーリング(SC)」と「ルートプレーニング(RP)」(=歯石取りと歯面磨き)を同時に行う処置のことです。
歯のクリーニングは予防歯科で行う処置の一つです。予防歯科ではクリーニング以外にも、咬み合わせや欠損部分の補綴などによって、残存歯を増やすためのサポートを行います。
予防歯科のメリット・
デメリットは?
予防歯科はできるだけ早く取り組むべき治療といえます。しかし、日本人の歯への関心度は他の先進国と比べて低い傾向にあります。日本では「痛くならないと受診しない」風土があるのではないでしょうか。メンテナンス受診率は残存歯数に影響します。予防歯科のメリット・デメリットを見てみましょう。
予防できる
維持できる
予防できる
抑えられる
表の通り、予防歯科には様々なメリットがあります。デメリットとしては都度費用と時間がかかる点があげられますが、重度のむし歯や歯周病になってからでは、より費用も時間も必要になるでしょう。
いつまでも心身ともに元気でいるためにお口の健康はかかせません。ぜひ当院またはお近くの歯医者で定期検診を受けてくださいね。
予防歯科はいつから
始めるべき?
予防歯科は歯が生え始めた頃から意識することが大切です。一般的に、赤ちゃんは生後半年頃から徐々に歯が生えてきます。小児歯科のある歯医者であれば赤ちゃんの頃からも通いやすくておすすめです。
当院の小児歯科についてはこちら
予防歯科にかかる費用は
どのくらい?
クリーニングなど
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- 月に1回歯科クリニックで実施される予防歯科を受けた場合の金額
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- 初診料やレントゲン費用なども含まれる
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- 審美目的で受ける方が多い
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- 歯医者により金額を自由に設定できるため、単独メニューやコース料金などさまざま
歯医者の定期検診は保険適用になるため、治療費の1~3割を負担することで検診を受けられます。経済的な負担は極めて低いといえるでしょう。